PSA値が4を超えたら?前立腺がん検診の基本と当院での流れ
健康診断で「PSA値が高い」と指摘された方へ。PSA値4 ng/mL を超えるとどう判断するのか、再検査・精密検査の流れ、生活で気をつけることまで、泌尿器科専門医が解説します。
健康診断で「PSAが高めです」と指摘されると、不安に思われる方が多いと思います。今回は、PSA検査の基本、4 ng/mL を超えたときの考え方、当院での精密検査の流れをお伝えします。
PSAとは?
PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺の細胞からのみ作られるタンパク質です。前立腺がん・前立腺肥大症・前立腺炎などで血液中の値が上昇するため、前立腺の異常を早期に発見するスクリーニング検査として広く使われています。
PSA値の目安
- 0 〜 4.0 ng/mL:基準範囲内(年齢別の補正あり)
- 4.1 〜 10.0 ng/mL:グレーゾーン(要精密検査)
- 10.1 ng/mL 以上:前立腺がんの可能性が相対的に高い
PSAが高くなる主な原因
① 前立腺がん
もっとも見落としたくない原因です。早期に発見できれば治療選択肢も多く、根治の可能性が高い病気です。
② 前立腺肥大症
加齢とともに前立腺が大きくなる、ごく一般的な状態です。PSAも年齢に応じて緩やかに上昇します。
③ 前立腺炎
細菌感染や慢性的な炎症でPSAが急に上昇することがあります。治療後に再検査すると正常化することも多いタイプです。
④ その他の要因
射精・自転車・直腸診の直後、尿道カテーテル使用後にも一時的に上昇することがあります。検査前48時間はこれらを避けるのが望ましいとされています。
当院での精密検査の流れ
- 1問診:排尿症状・既往歴・家族歴を確認
- 2再採血で PSA を確認(前回の検査が炎症など一過性の影響を受けていないか確認)
- 3直腸診(前立腺の硬さ・大きさを触知)
- 4経直腸超音波検査(前立腺の形態を評価)
- 5MRI(必要に応じて連携医療機関で実施)
- 6前立腺生検(必要と判断されたとき、連携病院で実施)
当院ではステップを丁寧に踏みながら、必要時は基幹病院・専門医療機関と連携して進めます。「いきなり生検」とはなりません。
PSA検診は何歳から?
- 50歳以上:年1回の定期検診を推奨
- ご家族(父・兄弟)に前立腺がんの方がいる:40歳代から検討
- 黒人系の方:リスクがやや高めとされ、早めの開始を推奨
生活で気をつけたいこと
- 野菜・大豆食品を意識した食事(地中海食・和食ベース)
- 脂肪の多い肉・乳製品を摂りすぎない
- 適度な運動(週150分の中強度)
- 禁煙・節度ある飲酒
「予防になる」と科学的に強く証明されたものではありませんが、心血管リスクの管理にもつながるため、無理のない範囲で取り組まれることをおすすめします。
よくあるご質問
Q. PSAが高いと言われましたが、自覚症状は全くありません。
前立腺がんは、初期には自覚症状が出ないことがほとんどです。だからこそPSA検診が早期発見に重要です。症状がなくても、ぜひ精密検査をお受けください。
Q. 紹介状は必要ですか?
不要です。健康診断の結果(PSA値の数字が分かるもの)をお持ちいただけると、評価がスムーズです。
Q. すぐにがんと診断されるのが怖いです。
PSAが基準値を超えていても、前立腺がん以外の原因のことが多いです。当院では一段ずつ丁寧に評価を進めます。診断のステップもしっかりご説明します。ご不安な点はその都度お話しください。
監修:当院 副院長 川西 誠(日本泌尿器科学会専門医)
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